琉球海運4期ぶり減収減益 21年3月期 観光関連の輸送減る


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
琉球海運の新造船「あやはし」=2021年2月、那覇市港町の那覇港新港ふ頭

 琉球海運(那覇市、宮城茂社長)は15日、株主総会を開き2021年3月期決算などを承認した。新型コロナウイルス感染拡大による観光客の減少を受け、レンタカー用の自動車やホテル・飲食店用の食材、土産物などの輸送量が減少し、売上高は前期比10・2%減の201億8240万円だった。経常利益は同74・8%減の4億9478万円、純利益は同75・1%減の3億6231万円で、4期ぶりの減収減益となった。

 原油価格の低下によって、燃料費は同14・7%減となった。一方、貨物船「あやはし」の新造に伴い、特別償却約8億円を計上したことから、利益が圧縮された。宮城社長は「重視している償却前利益では7・5%程度の減にとどめた。生活物資の輸送という基礎的な部分は損なわれていない」と話した。

 輸送実績は、定期航路が同5・5%減の352万1619トン、不定期航路が同32・0%減の16万2144トン、合計で同7・1%減の368万3763トンだった。輸送貨物運賃の合計は同8・2%減の196億870万円だった。観光需要の減少によって定期航路の貨物量が減少し、内航の不定期航路も鉄鉱などの生産減少を受けて減少した。

 22年3月期の予測は、売上高が220億円、経常利益は18億円の増収増益を見込んでいる。

 宮城社長は「海外の感染が落ち着くまでは、海外から沖縄に振り替える需要が高まることが予想される。食材やレンタカーの需要など、戻りは早いと思う。新造船や物流倉庫の整備効果が出てくるだろう」と話した。