宮古島の民謡取り入れた「平和の詩」 慰霊の日追悼式で朗読する中学生の思い


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上原美春さん

 慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式で平和の詩「みるく世(ゆ)の謳(うた)」を朗読する宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さんは18日、報道各社の質問に文書で回答した。上原さんは2017年に詩を朗読した上原愛音さん(当時宮古高校3年)の妹で、姉妹で大役を務める。19年に誕生した、めいの世話をしている時に「大きな声で泣ける今や、それを笑顔であやすことができる今は当たり前じゃない」と気付き、「沖縄戦のことを忘れてはいけない、大切なのは命だ」という思いを詩に込めたという。

 上原さんは少年少女合唱団に所属し、毎年、宮古島の追悼式で歌っている。兄や姉が本島に移り住んだ後、県平和祈念資料館や米軍基地などを見て沖縄戦を考える機会が増えたという。

 詩で繰り返される「みるく世ぬなうらば世や直れ」は、祖父が歌ってくれる宮古民謡「豊年の歌」の一節を取り入れた。悲しみやつらさを明るく強い歌詞に代えて歌った祖先の心と戦争当時に思いをはせた。

 詩を通し、「先人が言っていると感じる『伝え続けよう、忘れないで、今を生きる私たちで平和な世(みるく世)を作ろう』ということを伝えたい」という。

 詩の制作には姉も協力し「姉を納得させるのに苦労した。なかなかOKを出してくれず、泣きそうになりながら仕上げた」と明かした。姉妹での朗読については「4年前、姉が朗読をした時に、姉がとてもかっこよく見えて、誇りに思えて、いつか私も読みたいと強く思った。夢をかなえることができて、とてもうれしい」と喜んだ。

 平和の詩「みるく世(ゆ)の謳(うた)」の全文はhttps://ryukyushimpo.jp/news/entry-1337456.html