「ただただ涙しか」東京で沖縄戦展 証言や写真で実相伝える


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沖縄戦展で体験者の証言パネルや集団自決(強制集団死)に関する紙芝居に見入る来場者=6月18日、東京都文京区の文京シビックセンター

 【東京】6月23日の慰霊の日を前に沖縄戦展が20日まで、東京都文京区の文京シビックセンターで開かれた。沖縄戦の実相を知ってもらおうと、戦争体験者の証言を記録する民間団体「戦場体験放映保存の会」(東京)が2015年から都内で開催している。来場者らは沖縄戦体験者の証言パネルや写真、遺品などに見入っていた。

 展示会は、1944年8月の対馬丸事件から45年6月23日まで時系列で説明。元県知事の大田昌秀さんや白梅同窓会の中山きくさん、安里要江さんら約20人の体験者の証言パネルのほか、集団自決(強制集団死)の実相を伝える紙芝居、米軍が撮影した当時の写真などが展示された。遺骨が混入する沖縄本島南部の土砂を名護市辺野古での新基地建設で使用する可能性があることを受け、今回は遺骨収集に関するコーナーも設置された。収集作業の様子を写した写真や出土した遺品などが展示された。

 文京区在住の増田康子さん(77)は「沖縄戦がこんなにもすさまじかったことを初めて知った。展示を見ると、ただただ涙しかない」と話した。戦場体験放映保存の会の庄島サトミさんは「沖縄戦はどんなものであったのか、東京の人にも知ってもらいたい」と語った。