名護市長選を前に「直接対決」 渡具知氏と岸本氏、辺野古めぐり議会で論戦


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埋め立てや護岸工事が進められる新基地建設現場=2020年9月

 【名護】名護市辺野古の新基地建設に賛否を示していない渡具知武豊市長の姿勢を巡り、21日の市議会6月定例会の一般質問で、野党の岸本洋平氏と渡具知市長が論戦を展開した。新基地建設に対する意見を求める岸本氏に対し、渡具知市長は姿勢を明確にしない、従来の答弁を繰り返した。岸本氏は来年2月の任期満了に伴う市長選への出馬の意向を示し、渡具知市長は既に出馬を表明。出馬表明後初の「直接対決」になった。

 岸本氏は「住民生活の安全や市民の財産、自然環境を守ることについて意見することのない今の状況は、市長としての大事な責務を放棄している」と指摘した。渡具知市長は「国と県が訴訟中で、その推移を慎重に見守っている」との答弁を繰り返した。

 米軍基地からの有機フッ素化合物を含む消火剤などの流出事故を受け、岸本氏が「辺野古新基地でも同様の消火剤が使われるかもしれない。意見を述べるべきだ」と訴え、渡具知市長は「基地内で起こる事故であってはならない」と強調した。岸本氏は新基地建設に伴う美謝川の切り替え工事などについても質問し、持ち時間をほぼ使い切った。