東京五輪の開幕まで、23日であと1カ月となった。これまでに県勢は男子空手形で金メダル最有力候補の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)や、開幕からのプロ野球連続無失点記録を更新し続けている平良海馬(西武)など、既に県勢過去最多となる7人(6競技)が代表に内定した。今後もハンドボール男子の東江雄斗(ジークスター東京)や女子の池原綾香(デンマーク・オーデンセ)、陸上男子走り幅跳びの津波響樹(大塚製薬)、バスケットボール女子の安間志織(トヨタ自動車)らの代表入りが期待される。個人競技と団体競技に分け、内定の経緯と今後の展望をまとめる。
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<個人競技>
世界選手権3連覇中で、昨年末の全日本選手権では前人未到の9連覇を果たした空手男子形の喜友名諒は、全競技を通して県勢初の金メダル最有力候補に挙がる。体の細部の使い方や技の流れなど、本番に向けて最終調整を続けている。「満点で優勝」が目標だ。
欧州を拠点に活躍する自転車男子ロードレースの新城幸也(バーレーン・ビクトリアス)はロンドン五輪から3大会連続の出場となる。3大会出場は県勢最多。5月には通算14回目のグランツールとなったジロ・ディタリアを完走した。五輪での自身最高位であるリオの27位を超えたい。
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レスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級の屋比久翔平(ALSOK)は4月のアジア予選で代表権獲得の要件である決勝進出を果たし、同競技で県勢初の五輪出場権をつかみ取った。金メダル獲得が目標。試合の入りやグラウンドでのせめぎ合いの技術を課題に挙げ、精度を突き詰めている。これまで県勢で競技別最多となる6人のオリンピアンが誕生している重量挙げでは、男子61キロ級の糸数陽一(警視庁)と73キロ級の宮本昌典(東京国際大職)が内定した。
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出場2回目となる糸数は62キロ級4位だったリオの悔しさを糧に表彰台を目指す。初出場の宮本の同階級は自身を含めて2番手以降が団子状態なため、一歩抜け出してメダル獲得を狙う。
カヌー・スプリントのカナディアンシングル1000メートルは、當銘孝仁(新潟・三条市スポーツ協会)が開催国枠を懸けた5月末の代表選考会で優勝し、初の五輪出場権を得た。それまでは沖縄水産高で一つ後輩だった大城海輝とのペアで出場を狙っていたため、上位入賞に向けてシングルへの適応や精度向上が鍵を握りそうだ。
陸上男子走り幅跳びの津波響樹(大塚製薬)は自己ベストの8メートル23が五輪参加標準記録を突破しており、24日に大阪市で開幕する日本選手権で3位以内に入れば代表に内定する。同種目は27日に行われる。
その他、県関係では両親が南風原町出身の柔道女子48キロ級の渡名喜風南(パーク24)も代表内定済み。優勝候補がずらりと並ぶ日本柔道勢の先陣を切る存在として、金メダル獲得が期待される。
<団体競技>
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16日に代表選手24人が発表された野球では、投手の平良海馬(西武)が選ばれた。野球で県勢初の五輪出場となる。21歳で今回の代表では最年少。開幕からの連続試合無失点のプロ野球記録、開幕からに限らないパ・リーグ記録も更新した。最速160キロの剛速球と切れのある変化球を武器に、金メダル獲得を目指す侍ジャパンで中継ぎや抑えでの活躍が期待される。
6月中に代表選手が発表されるハンドボールでは、男子で攻撃の司令塔を務める東江雄斗(ジークスター東京)の選出が濃厚だ。日本が24年ぶりに1次リーグを突破した1月の世界選手権でも試合ごとの最優秀選手に選ばれ、存在感を発揮した。
女子でも池原綾香(オーデンセ)が選出される可能性が高い。5月末には所属チームのデンマーク1部リーグ優勝に貢献し、海外選手との対戦経験を積み重ねている。
同じく6月中に代表選手12人が発表される予定のバスケットボール女子では、ポイントガードの安間志織(トヨタ自動車)が候補選手16人に名を連ねている。ガード陣は激しい代表争いを繰り広げており、持ち味のスピードを武器に代表の座を射止めたい。
県関係では、水球男子で母親が石垣市出身のGK棚村克行(ブルボンKZ)が代表に内定している。リオ五輪に続き2回目の出場。31歳のベテランとしてチームをけん引する。