32軍司令官らを弔う黎明之塔を陸自が「参拝」 旅団長「私的」を強調


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黎明之塔に献花した後、塔を見つめる佐藤真第15旅団長(左から2人目)ら=23日午前4時51分、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)

 23日午前4時50分ごろ、糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある「黎明(れいめい)之塔」に、陸上自衛隊第15旅団の佐藤真旅団長らが制服姿で訪れた。辺りが暗い闇に包まれる中、旅団長ら数人が塔に献花した。

 黎明之塔は、日本軍第32軍の牛島満司令官らをまつるとされる。佐藤旅団長は、「参拝」への批判があるという質問にあくまで「私的参拝」とし、「慰霊の日に戦争で亡くなられた方々のご冥福をお祈りする」と答えた。

 例年は旅団長らが集団で訪れるが、今年は旅団長のほか女性自衛官2人と私服姿の幹部数人のみだった。一行はその後、一般戦没者を追悼する「しづたまの碑」と県職員を追悼する「島守の塔」を足早に回った。

 「参拝」は2004年から隊員が自主的な行動としており、今年で17回目。

 同日、県平和委員会が第15旅団の「参拝」に抗議した。