黒糖をお菓子に…オキコが加工販売に参入 県産黒糖の在庫解消へ


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 沖縄県産黒糖の在庫過剰の状況を解消しようと、製パン業などを展開するオキコ(西原町)は、黒糖関連食品の加工販売に取り組む計画を進めている。うるま市の中城湾港新港地区の工場に包装用機械を導入し、菓子商品として国内外に販路を広げ、新たな商品開発にも力を入れる。

 オキコによると、黒糖は県外の量販店などで、塩や砂糖などといった調味料のコーナーに陳列されていることが多い。そのため、菓子製品として売り出すことで、新たな需要喚起や消費拡大に期待が持てるという。

 ただ県外や国外向けに黒糖を1個ずつ大量に包装できる機械を持つ業者は少ない。そこで菓子商品として包装し、大量に出荷できるよう同社が加工工場を整備し、販路拡大に取り組むことにした。事業費は約1億5千万円で、国から約1億円の補助が決まっている。

 オキコは6月にうるま市の工場施設を借り、8月までに最新の包装機械を導入し、9月下旬にも操業を始める。国内は大手食品商社との提携による既存販路を活用し、海外は台湾での販路開拓を目指す。2021年度は約60トンの商品出荷を計画し、22年度にはサトウキビの絞りかす「バガス」を使った黒糖加工食品も開発することにしている。

 オキコは「工場の規模が大きいので他の生産事業者からの包装委託にも応じられる。量販店とのプライベートブランド開発などにも取り組み、黒糖の消費拡大につなげたい」と話している。