23日午後4時からネット中継で始まった日本女子ハンドボールの五輪代表発表会見。池原綾香の名前が呼ばれると、浦添市にある自宅で固唾(かたず)をのんで見守っていた父興信さん(57)は安心したように表情がほぐれ、母清美さん(57)はうれしさで涙がこみ上げた。2人は「まだ信じられない。おめでとうと伝えたい」と目を細めた。大会では「チームのため、勝利に結びつけるプレーをしてほしい」と期待を膨らませた。
小学5年の時に競技を始めて、157センチの小さな体で五輪代表にまで上り詰めた。興信さんは「ここまでやるとは。本人の強い意思が実を結んだと思う」と努力をたたえ「運もあった。周囲の支えにも感謝したい」と語った。海外のチームに行くことには反対だったという清美さんは「後悔させるよりはと思い認めることにした」と振り返った。「今となっては背中を押して良かった」と笑った。
けがで悔しい思いをしてきた姿を、間近で見てきた2人は「けがをしないでフル出場で頑張ってほしい」と願う。「予選リーグを突破してメダルを取ってほしい。楽しんでる姿を見たい」とエールを送った。
那覇西高時代に監督として指導した下地保南風原高教諭は「うれしくて、ほっとした。小さくても、けがをしてもチャレンジしてきた。今までの努力が実って本当に良かった」と喜んだ。池原の活躍に「小さくてもできるぞと、沖縄の子たちの励みになればと思う。小さいけどシュートテクニックは持っている。動き回って、大きい海外選手をあっと言わせてほしい」と会心プレーを期待した。