沖縄に「福祉の街」を 左半身まひの下地さん 実現へ団体設立 「シェア金沢」モデルに


社会
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「福祉の街」の構想を掲げる下地洋也さん(中央)と、一緒に活動する支援者や脳卒中の当事者ら=24日、県庁記者クラブ

 脳出血のため左半身にまひがある宜野湾市の下地洋也さん(35)が、福祉の街づくりを目指す団体「脳卒中患者のがじゅまるの会ユイマール連合」を立ち上げた。企業や団体に賛同会員を募って運用資金を集め、分け隔てなく誰もが支え合い暮らす街として知られる「シェア金沢」(石川県)をモデルとした、福祉の街を県内につくることを目標に掲げる。

 下地さんらは当初、脳卒中の後遺症がある人が社会復帰を目指すシェアハウス建設を目指し、3500万円を目標額とするクラウドファンディング(CF)を4月に開始した。だが、期限までに集まったのは26万円で「個人では力不足だった。企業などさまざまな人を巻き込んだ団体が必要だと感じた」という。

 CFの取り組みを知った県内企業10社から賛同の声掛けがあり、再検討した結果、シェアハウスの計画を見直し、脳卒中に限らず誰もが分け隔てなく暮らせる街づくりに取り組むことにした。

 モデルとするシェア金沢は、約1万坪の敷地に福祉関連施設を配置している。沖縄県内のどこに、どういった形で福祉の街を実現できるか、下地さんにはまだ具体的な青写真はない。下地さんは「わくわくするような街づくりがしたい。まずは(賛同企業を)500社集めることを目標にする」と語った。賛同するFMぎのわんの山内一郎代表は「下地さんは荒削りだがパワーがある。実現できたらすてきなことだと思う」と強調した。問い合わせは下地さん(電話)070(5419)7130。