環境政策の審議官新設 防衛省が組織改編 嘉手納より南の統合計画推進も担当


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 【東京】防衛省は25日、環境政策や米軍嘉手納基地より南の統合計画の推進などを担う審議官ポストの新設や、環境問題に対応する課の一本化を柱とする地方協力局の改編を決めた。有害性が指摘される有機フッ素化合物「PFOS」など環境問題への社会的関心の高まりを踏まえ、防衛施設の環境対策を強化するのが狙い。米側との調整は日米地位協定の壁があり、交渉力向上も求められる。7月1日付で改編する。

 組織改編では「環境政策課」を設け、環境問題への対応を一元化する。

 環境対策はこれまで、自衛隊施設は文書課の環境対策室が、米軍施設は施設管理課に分かれていた。特に米軍施設については返還跡地の汚染除去などを担う部署が、既存施設の環境対策も付随的に担っていた形だった。

 在日米軍関連は、訓練や事件・事故への対応、安全対策を担当する参事官ポストを設ける。補償課、提供施設課、調達官、労務管理課に分散していた在日米軍との調整や交渉を担う部署を、在日米軍協力課と労務管理課の2課に集約し「交渉力の向上」(防衛省幹部)を目指す。

 沖縄以外の全国の防衛局を担当し、各地域との連絡調整を担ってきた部署は、総括課と東日本、西日本の3課に再編する。防衛施設が集中する沖縄の担当部署は「沖縄調整官」として他県とは独立していた。組織改編後は「沖縄協力課」と名前を変えて継続する。

 自衛隊の「南西シフト」で九州や南西諸島で自衛隊施設の整備を強力に進める中、配備予定先地域では反発も強まっている。

 岸信夫防衛相は「地元の皆さんの理解と協力を得るための取り組みについて、質、量ともにこれまで以上のものが求められている」と述べ、地域対応を強化する考えだ。