沖縄の2020年賃料が上昇 堅調な住宅需要 コロナ禍でも大変化なく おきぎん経済研究所


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 おきぎん経済研究所(東川平信雄社長)は25日、2020年の県内賃料動向調査を公表した。賃貸物件の平均賃料は、新築・中古の全6類型で前年より上昇した。堅調な住宅需要を背景に、特に新築は建築費高騰の影響で前年比7~11%増で推移した。

 コロナ禍で経済環境は停滞しているが、同研究所は「一般住宅需要は入退去の動きがやや鈍くなったものの、大きな変化はみられない」と分析している。

 2K~2LDKは、新築が前年比11・2%増の8万500円で、那覇市新都心、同西部、宜野湾市が平均より高い。中古は同1・9%増の5万8200円となり、那覇市全域や離島地域で高くなっている。供給の多い間取りで、広めのLDKタイプは単身から家族世帯まで幅広い層に人気となっている。

 3K~3LDKは、新築が前年比9・3%増の9万3300円で、中古は同2・4%増の7万1300円だった。他の類型に比べて供給量が少なく、各エリアで堅調な需要がある。家族向けの需要が根強く、平均入居期間も6・1年と比較的長期となっている。

 1R~1LDKは、新築が7・4%増の5万5200円となり、建築単価高騰の影響を受け、宮古島市が最も高い。中古は2・7%増の4万5100円で、石垣市が那覇市新都心に次ぐ賃料となっている。

 地域別の稼働状況は「名護市」「沖縄市および近隣町村」「浦添市」「那覇市」で前年を上回った。前年に高い水準だった「宮古島市」「石垣市」の離島地域は若干低下した。ただ、全地域で80%を超える高い水準を維持している。最も高い地域は「那覇市新都心」の97・5%だった。

 同研究所は「転居・物件探しなどの相談の減少、民泊から賃貸への動きなどがある」と新型コロナ感染症の影響を指摘し、今後の市場動向を注視する必要性を強調している。