陸上日本選手権第3日 津波、県新で決勝へ 女子400障害


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 東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権は26日、大阪市のヤンマースタジアム長居で行われ、女子400メートル障害の予選1組に出場した津波愛樹(中部商高―福岡大4年)は、自身が持つ県記録を0.2秒更新する58秒17で3位に入り、タイム順で決勝進出を決めた。男子3000メートル障害で19歳の三浦龍司(順大)は自身の日本記録を更新する8分15秒99で初優勝した。山口浩勢(愛三工業)が8分19秒96で2位、青木涼真(ホンダ)が8分20秒70で3位となり、東京五輪参加標準記録を突破。上位3人が代表入りを決めた。男子400メートル障害決勝は黒川和樹(法大)が48秒69で初優勝、安部孝駿(ヤマダホールディングス)が48秒87で2位に入り、ともに初の五輪代表入り。女子100メートル障害は寺田明日香(ジャパンクリエイト)が13秒09で11年ぶり4度目の優勝。参加標準記録には届かなかったが、代表入りに前進した。


最後の直線 歯食いしばる きょう“自分超え”57秒台に挑む

女子400メートル障害予選1組 1台目のハードルを超える津波愛樹=26日、大阪市のヤンマースタジアム長居(長嶺真輝撮影)

 トラックに姿を見せた津波愛樹の表情は、いつにも増して引き締まっていた。初挑戦だった昨年は「気付かないうちに緊張していた」と終盤で失速し、予選落ち。7レーンに着き、心の中で自らに言い聞かせた。「落ちついて、自分の走りに集中する」

 上位2人に入れば決勝に進出する。描いた展開は「スタートから飛ばして力み過ぎず、後半まで力を残すように」。号砲と同時にギアを上げ、レースを引っ張る。57秒台の記録を持つ選手と競り合い、中盤を過ぎても好位置を維持した。

 「足が動いていた」と7台目の踏み切りがハードルに近く、歩数を調整して若干減速したが、推進力は衰えない。8台目付近で内側レーンから抜かれたが、焦りはなかった。「決勝に残ることだけを考えていた」と歯を食いしばり、最後の直線を駆け抜けた。

 大画面に表示されたタイムは、4月に自身が23年ぶりに更新した県記録をさらに0・2秒縮める58秒17。3着だったが、タイム順で決勝進出も決め「ベストを出せて良かった」と声を弾ませた。県勢女子がハードル種目で日本選手権決勝の舞台に立つのは極めてまれだ。「減速したところの歩数を調整して、57秒台を出したい」。27日の決勝で、再びの“自分超え”に挑む。

 (長嶺真輝)