大舞台へ「最高記録を」 津波選手五輪内定 「世界に羽ばたいて」 東江選手五輪選出


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津波響樹さん(中央)の五輪代表内定を喜ぶ祖父の国吉真豊さん(左から3人目)や妹の愛樹さん(同5人目)、母の睦子さん(右手前)や親戚ら=27日、大阪市のヤンマーススタジアム長居

勇姿見守り「感謝感激

 陸上男子走り幅跳びの津波響樹選手(23)が日本選手権で2位に入り、東京五輪代表に内定した27日、母の睦子さん(51)=豊見城市=や祖父の国吉真豊さん(84)=同=ら親戚が大阪市の会場で勇姿を見守った。

 睦子さんが競技前に響樹選手を激励した時、本人は冗談ぽく「肩に何かが1トンくらい乗ってる感じ」と話し、プレッシャーを感じていたという。「落としてあげようか?」とおどけて見せ、気持ちを和らげた。息子を支援し続けてきてくれた指導者ら関係者のことも思い、「感謝、感激」と目尻を下げ、本番では「今までの最高記録を跳んでほしい」とエールを送った。

 国吉さんは「ほっとしました」と安堵(あんど)の表情。数日前から緊張で夜に寝付けない日が続いていたという。自身も元陸上指導者。「県民の期待に添えることができたと思う」と誇らしげに語る。試合途中に足を痛めた孫を思い「完治して、本番では本来の跳躍をしてほしい」と願った。

 那覇西高時代の監督だった仲宗根敏晃さん(53)=現中部商業高校教頭=は、響樹選手の跳躍を自宅で祈るように見ていたという。長年陸上の指導者をしてきたが、「初めてですよ、教え子がオリンピックに出場するなんて」と興奮を抑えられない様子。高校の時から群を抜いていた助走も「社会人になり、以前とは比べものにならない。本番は8メートル超えの大ジャンプを必ず見せてくれる」と教え子の活躍を期待した。

五輪代表に内定した東江雄斗選手にテレビ電話でエールを送る父正作さん(左)と母功子さん=27日、浦添市の自宅

両親、安堵と期待

 27日、東京五輪のハンドボール男子日本代表に選出された県出身の東江雄斗選手(27)。浦添市の自宅では東江選手の背番号「33」の代表ユニホームを着け、父正作さん(60)と母功子さん(58)がネット中継の会見を見守った。名前が呼ばれると「ほっとしましたね」と安堵(あんど)の笑みを浮かべ、夢の舞台に挑む息子へ温かなエールを送った。

 正作さんは「(東江選手は)ハンドボールを始めた頃から『五輪に出て日本のエースとして活躍したい』と言っていた。楽しみだ」と笑顔で話した。功子さんは涙を浮かべ「素直にうれしい。本人が目指す楽しいハンドボールをみんなに伝えてほしい」と語った。

 元実業団選手の正作さんは県ハンドボール協会副会長を務め、元選手の功子さんはJOC沖縄選抜の監督を歴任、兄の太輝さん(32)も琉球コラソンで活躍する“ハンドボール一家”。東江選手は、両親がクラブチームで練習する際の体育館の響きを“子守歌”代わりに育った。現在は司令塔として代表チームをけん引する。年々視野を広げ、主軸として責任感を持ちプレーする姿が両親の目に映る。

 「おめでとう」―。会見後、テレビ電話をつなぎ祝福した。正作さんは「東京五輪を通過点に、世界へ羽ばたき活躍してほしい」。功子さんは「見る人が一緒に楽しめるプレーがたくさん出たらいいなと思う」と期待した。