「最高峰の試合で、シーズンで一番悪い出来だった」。女子走り高跳びの徳本鈴奈は涙ながらに声を絞り出した。昨年は1メートル75で準優勝を果たした日本選手権で、まさかの1メートル70で6位。「いつもなら足を合わせるだけで跳べる高さ」という1メートル73を3回ミスし、放心したようにしばらくベンチから動けなかった。
いつも通りのアップをして臨んだが、周囲からは「切れがなかった」「バネがたまってなかった」と指摘されたという。「やったつもりになってしまった」と後悔をのぞかせる。「悔しい方が次につながる。必要な経験だった。弱さを受け入れ、次はいい結果を出したい」と気丈に語った。