JTBが石垣のダイビングスポット周辺に人工浮島計画 マリンレジャー拠点に


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 JTB沖縄(杉本健次社長)が、石垣市屋良部半島の大崎海岸沖合に、マリンレジャー事業として巨大な人工浮島(ポンツーン)の設置を計画していることが28日、分かった。設置予定海域周辺は国内屈指のダイビングスポットが広がるため、シュノーケリングやダイビングの拠点などに活用するという。

 事業者によると国内初のポンツーン事業となり、今後、海洋調査などを経て2023年以降の運用開始を目指す。

 計画は大崎海域の海岸から約330メートルの沖合に縦27メートル、横50メートルのポンツーンを設置する。収容人数は300人。石垣港から民間のフェリーなどでつなぐ。ポンツーンは移動が可能で、台風や冬場の運休期間は石垣港への退避を想定する。

 海面利用の権利を持つ八重山漁業組合(上原亀一組合長)が26日の通常総会で事業計画を審議し、賛成多数で承認した。

 上原組合長は「観光振興に期待する声も寄せられた。今後、海面利用で漁業とレジャーのすみ分けをするが、事業者には漁業と環境への配慮をお願いしたい」と述べた。

 ポンツーンの設計や製造、海洋調査は、オーストラリアのグレートバリアリーフでの実績を持つ企業に依頼する。新型コロナの影響で調査時期は未定だが、現段階では設置までに約1年半を要するという。

 計画では海中展望室なども設置し、豊かな海洋資源を生かした多様なアクティビティーを提供する。JTB沖縄の杉本社長は「海洋環境を保護し、自然を育む活動などSDGsに配慮しながら環境を守る拠点にしていく」と述べた。