津堅島の米軍ヘリ不時着に抗議決議 沖縄県議会 民間地上空での飛行中止求める


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沖縄県議会

 県議会(赤嶺昇議長)は28日の6月定例会本会議で、2日に起きたうるま市津堅島での米軍ヘリ不時着に抗議し、民間地上空での米軍機飛行・訓練の中止を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。決議は駐日米大使など米側宛て、意見書は首相など日本側宛て。

 決議と意見書では、不時着現場が民家から約120メートルの距離だったことや、米軍普天間飛行場所属機が墜落・不時着を繰り返していると指摘。「県民の生命・財産を守る立場から、厳重に抗議する」とした。その上で、(1)原因の徹底究明と結果公表(2)民間地上空での米軍機飛行・訓練中止(3)米軍機の整備・保守点検体制の見直し(4)夜間飛行訓練制限の厳格な運用(5)日米地位協定の抜本的改定―の5点を求めた。

 意見書と決議は全会一致で可決となるよう、県議会米軍基地関係特別委員会(照屋守之委員長)が文案を調整し、28日に本会議に提出した。委員会は、うるま市の米陸軍貯油施設での有機フッ素化合物を含む汚染水流出事故への抗議決議・意見書も本会議への提出を検討している。照屋委員長は28日、6月定例会中に「(7月12日の)最終本会議までに、全会一致ができるように対応したい」と本紙取材などに答えた。


不時着の県議会抗議決議・意見書(要旨)

 2日午後11時ごろ第1海兵航空団所属UH1Y多用途へリコプターがうるま市津堅島の畑に不時着した。民家から約120メートルの距離で、一歩間違えば人命に関わる重大な事故につながりかねず、島民はもとより県民に不安を与えている。

 不時着に対する説明がない中、同型ヘリによる物資や人員の輸送が繰り返され、機体も5日間、とどめ置かれた。

 米軍による事故の度、米軍や関係機関に、原因究明や再発防止、民間地上空での飛行・訓練中止を強く要請してきた。今回の不時着は誠に遺憾で、容認できない。県民の生命・財産を守る立場から厳重に抗議し、下記を強く要請する。

1 原因の徹底究明と県民への速やかな結果公表

2 民間地上空での米軍機の飛行・訓練中止

3 米軍機の整備・保守点検体制を徹底的に見直し結果公表、実効性のある安全管理と再発防止を図ること

4 航空機騒音規制措置の厳格な運用

5 日米地位協定の抜本的改定