那覇市の違約金放棄案を否決 コロナで需要減の駐車場、契約期間3年残し業者が解約


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那覇市役所

 那覇市議会は28日、6月定例会最終本会議を開き、市上下水道局駐車場用地の賃貸借契約解約に対する違約金請求権を市が放棄する議案を、14対22の賛成少数で否決した。市は、解約について「コロナ禍の影響による不可抗力」と判断し、違約金4880万円の請求権を放棄する考えだったが、議会の理解を得られなかった。

 市は2020年3月に大和ハウスパーキング(本社・東京都)と駐車場用地の賃貸借契約を結び、同社が同年8月から駐車場を運営している。周辺企業の従業員や観光客らが利用しているという。賃貸期間は25年3月末までで、総貸付料は4億8800万円。

 市によると、新型コロナウイルス感染拡大で「想定した需要が見込めない」として、同社が21年2月に契約解除を申し出た。市は同社と協議し、8月4日付で解約することを決めた。

 議案にはニライ、共産党などの与党が賛成し、自民党、公明党などの野党、中立会派が反対した。都市建設環境常任委員会では「コロナ禍で厳しいとはいえ、契約期間が3年も残っている中で解約する場合は違約金を請求すべきだ」との意見が出ていた。

 議案の否決を受け、市は同社から預かっていた契約保証金を、解約時に違約金として徴収する。解約後に駐車場を運営する事業者を再公募する予定。新たな事業者が運営を始めるまで市の直営となる。