物産公社社長に比嘉氏 初の社内登用、決算は赤字<人事・決算>


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(左から)比嘉徹氏 運天修氏

 沖縄県物産公社(那覇市)は29日、株主総会と取締役会を那覇市のパシフィックホテル沖縄で開いた。任期満了に伴う役員改選で、取締役兼事業部長の比嘉徹氏(60)が代表取締役社長に就任した。1993年の同社設立以来、初めて社長職を社内から登用した。

 2017年以降不在だった代表取締役専務に、前農林水産部参事監の運天修氏(60)が就いた。前社長の湧川盛順氏(62)は非常勤の取締役となったほか、7月1日付で沖縄美ら島財団の常務理事に就任する予定。

 比嘉社長は「全社員が一体となり、黒字体質への転換と適正な財政体質への改善を取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

 2021年3月期決算は、物産展の販売額を含む総取扱高が前期比30・5%減の37億円5千万円、純損益は9374万円の赤字に転落した。赤字は18年3月期以来4年ぶり。

 総取扱高を事業部門別に見ると、物産展と外商部門は前期比68・3%減の4億1千万円。新型コロナの影響で百貨店での沖縄フェアの開催中止が相次いだ。直営店部門は同29・5%減の12億1700万円で、銀座本店を中心とした県外直営店の売り上げは伸びたが、県内直営店は観光客が減少したことで厳しい状況が続いている。「わしたショップイオンモール沖縄ライカム店」は大幅な売り上げ低下で5月10日に閉店した。現在同社の直営店は県内2店舗、県外5店舗の計7店舗。

 社長職はこれまで県三役や県OBを中心に担ってきたが、コロナ下で経営が厳しい中、流通業に高度な専門知識を持つ人材の登用が急務となり、今回の新体制となった。