17人死亡クラスター発表遅れ 会見取りやめ「県側から要請」 中部病院説明


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県立中部病院で発生した新型コロナウイルスのクラスターについて経緯を説明する玉城和光院長(中央)ら=1日午後2時すぎ、県立中部病院

 うるま市の県立中部病院(玉城和光院長)は1日、同病院で会見を開き、5月末から6月中旬までに、病院内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した経緯を説明した。

 5月24日に最初の陽性者を確認した後、院内に拡大し、患者36人と職員15人の計51人が感染し、17人が死亡したという。現在は収束している。6月10日にクラスターをホームページ上で公表したものの、その後情報を公開しなかったことについて玉城院長は「公表するべきという認識で、県病院事業局長に報告していた」と述べた。また、会見は11日に開く予定だったが、10日に県側から会見を取りやめるよう連絡があったという。玉城院長は理由については「県に確認してほしい」と述べるにとどめ、改めて「私は公表するべきだったと考える」と述べた。

 病院が説明した経緯

 5月12日に入院して治療を受けていた患者の陽性を24日に確認した。この患者は、入院当初に発熱を確認していたが、細菌感染症と判断して治療していた。途中から患者にせきがでたのでPCR検査をして、陽性を確認した。その間、この患者は病棟の廊下などで移動がある状態だった。その後、同じ病棟で複数人患者がでた。
 1人目の陽性者が入院していた病棟をコロナ対応病棟に変更したが、その後、別の病棟に転床させた患者にも陽性が判明。PCR検査を継続しつつ、陽性者を隔離した。地域では新型コロナの流行が拡大していたこともあり、入院や救急外来を閉鎖せず、院内感染の制圧に取り組んだ。17日に最後の陽性者を隔離した。その後の発生はなく、院内感染は収束したと判断した。