ラムズフェルド氏が辺野古視察「美しい海だ」 在任中に来県、稲嶺元知事と会談


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来沖し、稲嶺恵一元知事(左)に握手で迎えられるラムズフェルド米国防長官=2003年11月16日午後、沖縄県庁

 29日に死去したドナルド・ラムズフェルド元米国防長官は在任中の03年11月に来県し、稲嶺恵一知事(当時)から在沖米軍基地の整理縮小などについて直接要請を受けた。ラムズフェルド氏は上空から県内米軍基地を視察し、普天間飛行場について「危険で老朽化している」とし、移設先となった名護市辺野古について「美しい海だ」と語ったと伝えられる。

 稲嶺氏や岸本建男名護市長(当時)は普天間飛行場の辺野古移設を容認する一方、代替施設の使用期限設定などを求めていた。稲嶺氏は会談で「県民が厳しい状況に置かれていることを理解してほしい」と要請の実現を求めたが、ラムズフェルド氏は「見直しの最中であり、具体的に話せない」とするにとどめた。

 06年5月の日米合意で、辺野古崎沿岸に2本の滑走路をV字形に配置する現行計画を決定。米・ワシントンで開かれた日米安全保障協議委員会(2プラス2)でラムズフェルド氏は「今回の合意は日米同盟の重要な道しるべとなる」と強調した。

 日本政府は稲嶺氏らが求めていた代替施設の使用期限について1999年の閣議決定で「米国との話し合いで取り上げる」としていた。だが現行計画決定を受け、2006年に閣議決定を廃止した。ラムズフェルド氏は退任後の11年、共同通信のインタビューで辺野古移設について「(停滞する現状を)残念だとは言わない。解決済みだとは思っていた」と語っていた。