県三役いつ把握?中部病院クラスター発表遅れ 深夜に経緯説明を修正


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会見で、院内感染発生時の公表基準を作成したと説明する県病院事業局の我那覇仁局長(右)や中部病院の玉城和光院長(中央)ら=2日午後、県庁

 県立中部病院での新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)発生の公表遅れについて、県三役がどの段階で把握していたのかが焦点となっている。我那覇仁病院事業局長が2日の記者会見で説明した内容を、その夜に修正するなど異例の事態となった。県議会与党も県側に経緯の説明を求める見通しだ。

 我那覇局長は2日午後4時から1時間半余りにわたった記者会見の後、謝花喜一郎副知事との調整に入った。その後、我那覇局長は県政記者クラブを通じて、午後10時すぎに会見内容を訂正した。病院事業局は「中部病院が6月11日に記者会見を計画していたこと自体、(謝花副知事に)伝えていない」と説明している。

 6月10日、病院事業局が秘書を通じて謝花副知事に送った文書は「県立中部病院における外来診療、入院受入制限期間の延長等について」。8日時点の感染者数41人は本文に含まれていた。死亡者数は記していない。中部病院による会見の計画や、中止となった経緯は書かれていない。

 謝花副知事は、報告文書を受け取ったが診療制限の延長についてのみだと認識しており、文中にある感染者数には気が付かなかったと説明した。

 日々の報告文書は多く、秘書に表題を読み上げてもらうが、全ての本文に目を通すわけではないと説明。表題に「院内感染」や「クラスター」の文言はなく、感染状況の報告も兼ねているとは認識しなかったという。