美ら浜は私たちの手で 前原高「女子限定」ビーチクリーン企画、広がる輪


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 前原高校(うるま市)3年の女子生徒たちが「ちゅら浜girl,s project」として自主的なビーチクリーンを続けている。「男子に遠慮しないでいいように」と、メンバーは女子限定。自分たちで企画し、仲間を募ってほぼ月に1回実施し、集まったごみの種類などをリポートにもまとめる。これまでに5回実施し、塩濱涼さんらは「自分たちのことを誇りに思える」と目を輝かせる。

「ちゅら浜girl’s project」を主宰する前原高校の生徒たち

 塩濱さんらは2年生の時、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに年間を通して地域の課題を考える授業を受けた。ただ授業は解決策を考えるところまで。同じ塾に通う女子5人で「実際にできることはないかな」と考えた。「コロナでもできることは」「海なら楽しく活動できる」「SNSで友達も誘おう」と盛り上がり、今年1月に石川ビーチで1回目の活動に取り組んだ。5月までに5回実施し、メンバーは前原高を中心に他校を含めて54人にまで増えた。

 海辺には漁具や流木、海外からの漂着ごみもあるが、周辺の道や墓地にもごみは多く「陸から捨てられたものが圧倒的」。分別までしてごみ袋に入れたごみ、大型家電、中身の詰まったゴルフバッグと、わざわざ捨てに来たとしか思えないものも多いという。

 具志堅梨菜さんは「レジ袋削減はしてもペットボトルや使い捨て弁当箱も多く、ごみが減っている実感は湧かない」と感じた。仲間理沙さんは「手伝ってくれる人、ありがとうと言ってくれる人もいた」とやりがいを感じた。

 全員初めてという自主活動で仲間集めから苦労したという。下地姫凜さんは「人を巻き込む力や状況を理解する力が付いた」泉川七海さんも「自分にもできると自信がついた」と喜ぶ。塩濱さんは「進学で県外に出る人もいる。それぞれの地域で活動しながら後輩にも引き継いでいきたい」と話した。

 仲間の募集や、まとめたごみの分析は、投稿サイトのインスタグラムで発表する予定。

 (黒田華)