「墓誌」収納で特許取得 沖縄関ヶ原石材(那覇市) 故人の情報、確認容易に


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墓誌をお墓に収納できる工法で特許を取得した沖縄関ヶ原石材の緑間禎社長=6月30日、那覇市天久の展示場

 総合石材メーカーの沖縄関ヶ原石材(那覇市、緑間禎社長)が、墓に納骨されている故人の名前や没年などの情報を記載する「墓誌」を、墓に収納できる工法を発明し、特許を取得した。

 緑間社長によると、県外の墓には故人の情報を刻み込んだ墓誌が備えられていることが多いが、沖縄では骨つぼのふたの裏などに名前や没年などを書くことが多い。家族や親族が故人の情報を確認するには、墓を開けたり内部に入ったりする必要があり、不便だった。納骨時に名前などを撮影し、プレートに刻んでほしいという依頼も多くあったという。

 県外で多く見られる墓誌は独立した石版で、土台から作る必要があるため、空いたスペースのない墓に設置するのは困難だった。今回の発明は、墓本体の両側に備えられた袖石に、墓誌を収納する切り込み穴を開け、その中に収納することができる。普段は収納されているため、プライバシーも保護できるという。

 墓誌には両面に約20人分の情報を記載できる。他社で購入した墓でも加工可能で、費用は施工を含め約15万円。緑間社長は「多い時は月に15回くらい納骨に立ち会うが、子どもたちに故人の話をする時に、墓誌があればとても伝えやすい」と話した。

 今回の特許で、同社が現在取得している特許は四つとなった。「ベンチャー3割」をモットーとする緑間社長は「中小企業は他社にないものを求めて、常に新しいことをやらないといけない」と話した。
 問い合わせは同社(電話)098(855)4100。