米軍ヘリは「予防着陸」防衛局長が発言 抗議申し入れの県議会側が批判 


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小野功雄沖縄防衛局長(左)に意見書を手渡す照屋守之県議=6日、嘉手納町の沖縄防衛局

 沖縄県議会米軍基地関係特別委員会の照屋守之委員長らは6日、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、うるま市津堅島の畑への米軍ヘリ不時着に抗議した。沖縄防衛局の小野功雄局長は「警告ランプ点灯による予防着陸と承知している」と述べた。県議会は全会一致の抗議決議と意見書で「不時着」と記しており、小野局長の表現に議員団は反発した。

 照屋委員長は、日米、県などで「墜落」「不時着」「予防着陸」の統一的な定義を定めるよう求めた。照屋大河副委員長は「一歩間違えれば重大な事故につながるところだ。『予防着陸』という米側の認識に立っては県民の不安を解消できない」と批判し、毅然(きぜん)とした姿勢を国に求めた。

 照屋委員長と照屋副委員長は6月28日の本会議で可決した意見書を提出した。小野局長は「米側に機体の整備や安全管理の徹底を求めている」と説明した。県議会は民間地上空での米軍機飛行・訓練の中止を求めているが、防衛局側は「米側によると、津堅島上空を意図的に飛行することはない」と答えた。

 照屋委員長らは浦添市の在沖米総領事館、那覇市の外務省沖縄事務所も回り、抗議決議と意見書を提出した。双方から具体的な再発防止策は示されなかった。

 一方、照屋委員長は抗議後、うるま市などにまたがる米陸軍貯油施設から汚染水が流出した事故についても抗議決議と意見書を検討すると明らかにした。