中部病院長あてメール「三役報告する」 県職員からの送付が明らかに


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県立中部病院(資料写真)

 沖縄県立中部病院で発生した新型コロナウイルスの集団者感染(クラスター)の公表が遅れた問題を巡り、県病院事業局の職員が6月1日に玉城和光院長に対し、「今直(ただ)ちのマスコミ発表は控えるとのこと」「知事、3役には報告するとのこと」などと記したメールを送付していたことが8日、明らかとなった。県が県議会に資料を提出した。

 公表遅れに知事ら三役の関与を示唆する証言もある中、野党側から「実態解明につながる資料だ」との指摘も上がる。

 8日の文教厚生委員会で、メールの内容を問われた謝花喜一郎副知事は「認識に行き違いがあったと考えている」と述べた。メールに記載された「報告」の文言については、6月3日の対策本部会議で、病院事業局が説明したクラスター発生に関する「報告」のことを指しているとの認識を示した。

県病院事業局が県立中部病院の玉城和光院長へ送ったメール(提供)

 提出された資料によると、メールは6月1日午後4時13分に病院事業局の職員から玉城院長へ送られていた。玉城院長は5日の同委員会で、5月末に関係者に聞いた話として「上の三役のどちらからか、地域の受ける影響が大きいことを考えると、公表を控えるべきではないかという形を伝えられたとのことだ」と述べ、県三役の意思で公表が止まったとの認識を示していた。