FC琉球3位で折り返し 堅守支えたDF知念 J1昇格への課題は


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 サッカーJ2のFC琉球が今季全42節の半分の日程を消化した。13勝4敗4分けの勝ち点43で3位と好位置に付けている。J1昇格の条件は2位以内。掲げた「進撃」のスローガンを体現し、好調を支える要因は何か。試合を振り返り、成果と課題を探る。

■強固な守備

琉球ー京都 後半、再三のピンチを的確な守りで救う琉球のDF知念哲矢(右)とGK田口潤人(左)=5日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

 シーズン通算では19年がリーグ最悪の80失点、20年は61失点だった。指揮を執って3年目の樋口靖洋監督がシーズン前、「失点は40点ぐらいに減らさなければならない」と分析し、その言葉通りに折り返しで19失点。堅守が好調の源だ。

 欠かせないのがDF知念哲矢だ。1対1の強さに加え、守備陣からパスを組み立てる要となっている。競り合いの強さやタックルのうまさも兼ね備え、野性味あふれる強固な守備で失点の危機を何度も救った。

 第18節(6月13日)の北九州戦で効果的だったのが前線からのプレスだ。細かいパスをつなぐ相手に高い位置からのプレスが効き、精度を欠いたロングボールやパスミスを誘い出した。後半は攻めをしのいだ後に自陣から巧みにパスをつなぎ、攻めへと展開する琉球の真骨頂とも言える華麗なパスサッカーを見せた。

■4敗

 これまでに敗れた相手は町田、山形、新潟、岡山の4チーム。第9節(4月21日)の町田戦は0―3と力の差がくっきり出た。守備が緩み、攻撃も精彩を欠いた。第15節(5月22日)の山形戦は0―2。いずれもコーナーキックから失点し、セットプレーの防御の課題が浮き彫りに。第16節(5月30日)の新潟戦は1―2。両チームともパス回しの技術が光る引き締まった好ゲームとなった。ワンチャンスを確実に決める決定力が勝負の分かれ目となった。第19節(6月19日)は岡山を相手に0―3と完敗。チャンスが多かった前半で先制できなかったのが痛かった。後半は守備が手薄になったところを狙われ、個人技を絡めたカウンターから得点を許した。

■キーマン

 攻守で支えるのが風間宏矢だ。第18節(6月13日)の北九州戦で今季初ゴールと2点目を決め、調子は上向き。第21節(7月3日)の金沢戦では風間のクロスから2得点が生まれた。

 パスサッカーが身上の琉球だが、ペナルティーエリアでは個人技を生かした攻めに期待したい。ゴール前でもパスを回し続けていては得点は奪えない。阿部拓馬のようにドリブルでの切り込み、強引なシュートなど、フィニッシュまで持ち込み、各選手が貪欲にゴールを狙う場面を増やすことが勝利につながるはずだ。

 シーズンを折り返し、心配なのがけが人だ。過密日程だった昨季も試合をこなすにつれて、けが人が増えた。控えを含め、各選手の成長と活躍が必要で、チームの総合力が試される。