糸数、宮本選手へ「沖縄悲願のメダルを」ロス五輪重量挙げ・平良朝治さん<オリンピアンのエール>


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沖縄の重量挙げ選手初のメダル獲得を期待する平良朝治さん=1日、那覇市の琉球新報社

 重量挙げで2大会連続の五輪代表となる男子61キロ級の糸数陽一(30)に加え、73キロ級の宮本昌典(24)が五輪初出場を決め、同競技の県勢オリンピアンは歴代を含め計7人となった。競技別で断トツの多さだが、メダル獲得はまだない。第一人者として、1984年ロス五輪で5位入賞を果たした県ウエイトリフティング協会副会長の平良朝治さん(60)=八重瀬町=は「記録的に2人ともメダルの可能性が高い。沖縄の悲願を達成してほしい」と期待を込める。

 前回のリオ五輪62キロ級で4位だった糸数は、メダル候補として日本エースの看板を背負う。年齢的にもベテランだ。平良さんは「最後のチャンスだと思って全てをかなぐり捨てる気持ちでやってほしい」と熱い言葉を贈る。28歳で挑んだソウル五輪ではけがが多く、思うような試技ができなかったことを念頭に、調整では「けががないことが一番大事」と実感を込める。

 若手で代表の座を射止めた宮本については「フォームの効率が良く、出した力を無駄なくバーベルに伝えている」と評価は高い。糸数と同じくメダル圏内の記録を持っているが「まだ底は見えない」と語り、伸びしろ十分と見る。「メダル獲得は現実味のある話」と確信している。

 幾多の全国王者や世界で戦う選手を輩出してきた沖縄だが、近年は学生の成績が振るわない時期も続いている。「メダルを取れば、学生たちに夢と希望を与えられる」。2人の屈強なリフターが重量挙げ大国に新たな勲章をもたらし、後進に明るい未来を描かせてくれることを信じてやまない。

 (長嶺真輝)


 東京五輪の開幕まであと半月。県勢は過去最多の10人が出場を決めている。これまで五輪の舞台に立った「うちなーオリンピアン」たちが、母国開催の特別な五輪に挑む現役選手にエールを送った。