喜友名「絶対に満点取れる」 東京五輪「金」に自信


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オンライン会見で、金メダル獲得に向け意気込みを語る喜友名諒=9日

 全日本空手道連盟は9日、東京五輪に臨む日本代表選手のオンライン会見を開いた。男子形代表で金メダル最有力候補の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が「体調は万全。自分の形をできれば、絶対に満点を取れる」と優勝への自信をみなぎらせた。都内で開催される空手は新型コロナウイルス感染症の影響で無観客開催が決まったが、「それも想定内。画面を通し、応援してくれる皆さんに自分の気持ちが伝わる形ができたらうれしい」とぶれない姿勢を強調した。

 男子形は予選から決勝までを8月6日に日本武道館で行う。本番まで1カ月を切る中、今も師匠の佐久本嗣男氏と県内で調整を続けており「指導されている粘り、柔らかさを表現しながら、持ち味の強さを生かせるように稽古している」と貪欲に成長を求める。

 五輪が1年延期になったことで、スピードやパワーの基礎的な部分が底上げされているという。「体の動きを全部つなげ、そこから突きなどの技につなげていく技術も上がってきた。それが自信につながっている」と心技体の充実ぶりをうかがわせる。

師匠の佐久本嗣男氏(右)と共に、五輪前の最終調整を続ける喜友名諒=7日、那覇市泊の佐久本空手アカデミー

 「いつも通りの形をオリンピックの舞台で見せれば、優勝につながる」と、落ち着いた口調で力強く宣言した。

 相手に一呼吸も付かせず、畳み掛けるように攻める特徴を持つ劉衛流。その形を表現するのに必要なポイントの一つに「膝の柔らかさ」を挙げた。「技のつなぎ目で膝を意識し、そこからの転身で強弱を付けていることがうまく緩急につながっている」と技の出来栄えに細かく気を配る。

 3年後のパリ五輪では空手が実施されないことが決まっている。

 「自分たち空手の選手が力を出し切れば、それがまた次の次のオリンピックに向けての評価にもつながる」と、空手の魅力を伝えて再び五輪種目になることを願う。

 全日本選手権9連覇、世界選手権3連覇中の絶対王者だが、「自分だけの力では絶対ない」と佐久本氏や稽古仲間、家族ら周囲への感謝を忘れない。「オリンピックで自分の力を出し切ることで感謝の気持ちを表現したい。それが次世代の子どもたちの夢や希望、目標を大きく持たせるきっかけになったらうれしい」と語った。