指名されたが5秒沈黙…それでも質問する人は偉い! 照屋大哲(那覇・南部班)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

written by 照屋大哲(南部報道部)

 「先生から関係ない質問はしないでと言われた」。市町村担当記者になって1年余り。小中学校から取材だけではなく、進路や職業紹介、新聞作りについての講話依頼が度々ある。子どもたちを前に一通り話し終え「質問ある人どうぞ」と問い掛ける。学校やクラスにもよるが子どもたちの手がなかなか挙がらないことがある。ある学校で「何でもいいですよ」と念押しすると、男子生徒の口から冒頭の言葉が出た。

質問するために一斉に手を挙げる子どもたち(本文と写真は関係ありません)。

 男子生徒にとって先生のひと言は重かった。結局、手が挙がらなかった。先生は私に配慮したのかもしれないが、私は「関係ない質問」でもいいと思う。相手の思わぬ表情が見えたり、話が広がったりするからだ。誰だって人前で質問をするのは緊張するし、照れくさいし、できることなら黙っていたいと思ったことはあるだろう。

 私は緊張しやすい。だからこそ、取材先では1番目に質問すると決めている。決めているだけで実行できない時もある。ある記者会見で質問内容が固まっていないのに、真っ先に手を挙げ指名され、5秒ほど沈黙した。必死に取り繕いなんとか質問を絞り出す。

 恥ずかしかったが後悔はない。質問することが自分の仕事と言い聞かせた。あの男子生徒にも伝えたい。質問する人は偉い。そのくらいの気持ちで臆することなく手を挙げてほしい。

(豊見城市、八重瀬町、久米島町、南大東村、北大東村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。