黒糖の在庫、一部買い取りを 与那国町長や業界団体が県に要請


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県の崎原盛光農林水産部長(中央)に要請書を手渡す外間守吉町長(左から2人目)ら関係者=7日、県庁

 与那国町の外間守吉町長や県黒砂糖工業会(黒工会)などの業界団体代表が7日、県の崎原盛光農林水産部長と面会し、離島地域の黒糖製糖工場などが抱える在庫の一部買い取りなどを要請した。黒糖の製糖工場がある離島6町村の代表として出席した外間町長は、製糖業者の経営悪化により来期以降の操業が危ぶまれる状況だと説明し、「離島を支えるサトウキビ農家や産業を守るためにも、財政支援をお願いしたい」と訴えた。

 県内の製糖工場では数年前から黒糖の在庫問題を抱えているが、新型コロナウイルスの影響も重なり、現在の在庫量は約1年分の生産量に匹敵する8600トンと過去最多に膨れ上がっている。要請書では、2020~21年に製糖された黒糖のうち、3千トンを需給調整用として買い取ることや、黒糖の製造コストと、販売価格の差額助成制度のための予算枠を確保することなどを求めた。

 崎原部長は「要望にあった買い取りは予算的に厳しいが、引き続き製糖事業者の経営状況の把握に努め、どのような対応ができるか検討したい」と述べた。