中部病院クラスター「公表遅れの原因究明を」 沖縄県議会が決議


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沖縄県議会

 県立中部病院で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、公表が遅れた問題について、県議会は12日、原因究明と再発防止を求める決議を全会一致で可決した。県議会文教厚生委員会の末松文信委員長らは同日、原因究明を求める決議文を玉城デニー知事に提出した。

 玉城知事は「県立病院における集団感染の原因を明らかにして再発防止に万全を期し、県民の信頼が得られるよう丁寧に説明する。引き続きコロナ感染の拡大防止に向けて全力で取り組んでいく」と答えた。

 その上で、近く県医師会や県の専門家会議の藤田次郎座長と面談する方向で調整していると明らかにした。コロナの感染状況が落ち着いた後、中部病院も視察したいと述べた。「現場の皆さんの心が折れないよう支えていきたい」と語った。

 公表が遅れた背景については、県独自のクラスター公表基準を定めていなかったことや、県庁内や病院との情報伝達が不足していたことがあるとの従来の見解を示すにとどめた。

 県議会の決議文は「このような事態は二度と起こしてはならない。公表が遅れたことは問題だ」と指摘し、県立病院の医療従事者が医療に専念できるように支援体制を強化することと、対策本部や保健所の体制を強化することも求めている。