【速報】米軍ヘリがコンテナ落下 沖縄・渡名喜村長「背筋が凍る」


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 在沖米海兵隊所属のCH53E大型輸送ヘリが13日午後0時半ごろ、渡名喜村の入砂島と渡名喜島の間のリーフ外に鉄製コンテナ1個を落下させた。在沖米海兵隊などによるとコンテナは縦が2メートルで、横と高さは2・4メートル。工具やテント、軍用食のほか、収容量約18・92リットルの密閉された容器に約9・46リットルの燃料が入っていた。日本政府によると、人的・物的被害や危険物搭載は確認されていない。

 落下したコンテナの重さは不明。ヘリは出砂島射爆撃場からコンテナを輸送中に落下させた。在沖米海兵隊の第1海兵航空団は同日の報道発表で「真剣に受け止め、事故原因を究明する」とコメントした。

渡名喜島

 渡名喜島の渡名喜漁港では、村民がヘリがコンテナを落下させる様子を目撃していた。ヘリはコンテナをつり下げて輸送していたという。連絡を受けた村は午後1時半ごろ、担当者がボートで近くまで行き、現場を確認した。渡名喜島の岸から500メートル以上離れた地点で、段ボールに入った軍用食の一部とみられるピーナッツや肉などが浮遊していたという。

 桃原優渡名喜村長は13日夜、本紙取材に「あってはならない事で憤りを覚える」とコメントした。「漁業者が操業する海上で、万が一の事を考えると背筋が凍る。空から物が降ってくる事自体あってはならない」と怒りをあらわにした。「再発防止の取り組みがなされていないのではないか。強く抗議したい」と強調した。

 外務省は13日、在日米大使館に原因究明と再発防止策を申し入れた。防衛省も原因究明と安全確認の徹底を米軍に求める方針。県には同日、午後4時ごろ沖縄防衛局から一報が入り、情報収集を続けた。