自転車・新城幸也「日本で走る最高の舞台」 五輪の暑さ「大好き」


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オンライン会見で、現在のコンディションや五輪本番への意気込みを語る新城幸也=15日

 東京五輪の自転車男子ロードレース代表の新城幸也(36)=八重山高出、バーレーン・ビクトリアス=が15日、オンラインで会見を開いた。24日の本番が迫る中、既に国内で調整を進めており「落ち着いていい準備ができている。いい結果を残したい」と自身3度目の五輪へ決意を述べた。18歳から世界のトップ選手がひしめく欧州を主戦場とし、日本で国際レースを走るのは今回が初めて。「現役で走ってる間に日本で走れる最高の舞台。モチベーションはこれまで以上に高い」と、自然体な語り口の中に高揚感をにじませた。

 新城はこれまでポイントごとに5回以上試走し、本番直前にはまだ走っていない富士山の登りや富士スピードウェイなども試走する予定という。

 5年前のリオ五輪と比較し「それに匹敵する、もしくはそれに以上に厳しいコース」と分析した上で「メンバーや天候でレース展開も変わる。いい成績を出すための準備をしている」と話し、コンディション調整が順調に進んでいることをうかがわせた。

 最終調整で注力しているのは登りの強化だ。「登りで遅れると勝負する権利さえも失ってしまう。最後の先頭集団に残れる登りの力を養ってきた」と自信をうかがわせる。高校まで石垣島で育ち「暑さは大好き」と気温の高さはむしろ歓迎しているようだ。

 1チームが6~8人ほどで走る他の国際レースとは違い、五輪は国ごとで出走人数が異なる。5人以上で互いにアシストし合いながら走れる強豪国もいる中、日本は自身と増田成幸の2人のみ。少人数なことから「僕らが主体でレースを動かすわけではない」と冷静に見通す。「どちらかが日本にいい成績を残せればいい」と協力しながらのレース展開を想定している。

 新型コロナウイルスの影響で沿道での観戦自粛が呼び掛けられているが、無観客でのレースは欧州でも経験済みだ。「人命に関わること。仕方ない」と話し、「ロード好きな人の方が心を痛めてると思う」とファンの心境を気遣う。その上で「僕ができることは自転車で走ることしかない。五輪でいい走りをし、少しでも皆さんが明るい気持ちになってくれたらうれしい」と満面の笑顔を見せた。