沖縄県立博物館で50日ぶりに展示会 絵画展「川平惠造展」写真展「石川文洋とベトナム戦争」


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時代性テーマとする「Now…」シリーズなど自らの作品について解説する川平惠造さん=那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 沖縄県立博物館・美術館の美術館コレクション展が13日、那覇市の同館で始まった。12月5日まで。新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言で5月23日から臨時休館して以来、約50日ぶりの展示会。絵画展「川平惠造展」と写真展「石川文洋とベトナム戦争」、絵画や美術史について紹介する「沖縄美術の流れ」の計3展示を開催している。

 画家・川平惠造さんの作品を紹介する「川平惠造展」は時代性がテーマの「Now…」シリーズや、抽象表現を究めた「夏」シリーズなどの21点を展示している。同館で川平さんの個展を開くのは初めて。報道陣向けの内覧会で川平さんは「自分の心の中にある沖縄の風景や基地などをイメージし、描いている」などと紹介した。担当学芸員の豊見山愛さんは「沖縄の社会的状況も交えて描いている。多くの方に川平先生の世界を感じてほしい」と来場を呼び掛けた。

「石川文洋とベトナム戦争」で展示される石川文洋さんが撮影した写真=那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 「石川文洋とベトナム戦争」は前期(9月26日まで)25点、後期(9月28日~12月5日)25点の計50点を紹介する。写真家の石川文洋さんがベトナム戦争の当時に撮影した米兵や住民、戦場の光景などが並ぶ。担当学芸員の亀海史明さんは「奥深く入り込んだからこそ撮影できた写真がある」などと紹介した。

 「沖縄美術の流れ」は沖縄の美術史に沿って約60点の美術作品を展示している。1937年に名渡山愛順氏が描いた絵「首里城内 瑞泉門」など、沖縄戦で被害を受ける前の戦前の風景もある。戦後から現代までの作家の立体作品や映像作品も紹介している。

 問い合わせは同館(電話)098(941)8200。