「女性でも人間国宝になれる」「本当の舞姫」宮城さん、志田さんの認定に喜びの声


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(左から)照喜名朝一氏 宮城能鳳氏 中村一雄氏 玉城節子氏

 宮城幸子さんと志田房子さんが琉球舞踊の分野で人間国宝に認定されることになり、沖縄の芸能界も祝福ムードに包まれた。

 県芸能関連協議会の玉城節子会長は「これまで組踊や三線、太鼓から人間国宝が認定されたが、みな男の方だった。琉球舞踊から女性が、それも戦後の混乱期から一緒に頑張ってきたお二人が答申されたことがうれしい。女性でも大丈夫なんだ、人間国宝になれるんだと、女性舞踊家にとっての希望のともしびとなった」と声を弾ませた。

 県内から芸能部門で初の人間国宝になった照喜名朝一さんは、幸子さんと志田さんに舞踊を教えた真境名佳子さんとの交流を振り返り「佳子さんは歩みの指導一つとっても、徹底して指導していた」と懐かしんだ。「その佳子さんの指導を受けた幸子さんは踊りの美しさに定評があった。志田さんは、本当の舞姫とはこういう方のことを言うのか、と思うくらいのきれいさがある人だ」と話した。

 その上で、人間国宝の誕生は「その分野の芸能に携わる人にとって、目指すべき明確な目標ができたとも言える」と意義を語る。

 「琉球古典音楽」人間国宝の中村一雄さんは「三線の実演家と舞踊の実演家は、一緒に伝統の継承に努めてきた。芸能をすることが否定的に見られる時代もあったが、本気で打ち込めば周囲も認めてくれる。舞踊からも人間国宝が誕生することになり、本当に良かった」と力を込めた。

 「組踊立方」の人間国宝で琉球舞踊保存会会長の宮城能鳳さんは「2009年に琉球舞踊が重要無形文化財に指定されてからこれまで、各個認定が出るのを待ち望んでいた。そこにお二人も答申された。琉球舞踊が日本を代表する伝統芸能だと、あらためて認められた証しで喜びもひとしおだ。若い人たちにも、随分夢と希望を与えたことと思う」と感慨深げに話した。