陸自がグアムで初の降下訓練 米軍と共同で離島奪還を念頭に


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防衛省(資料写真)

 【東京】陸上自衛隊は24日から28日にかけて、米領グアムで米陸軍と共同でパラシュート降下訓練を実施する。陸自がグアムで降下訓練を実施するのは初めて。敵に占領された島しょ部の空港や港湾施設などを制圧する「離島奪還」が念頭にある。

 陸自トップの吉田圭秀陸上幕僚長は15日の会見で「島しょ部における日米共同作戦能力を向上させ、空挺作戦の実効性を高めることに有用だ」と訓練の意義を語った。

 日米が3月の防衛相会談で、より高度な共同訓練に取り組むことを確認したことを受けて実施される初の訓練となる。日本から4、5時間かけてグアムへ移動してきた部隊が、初めて見る場所に着陸せずにそのまま降下を行う。長距離移動の心理的圧迫など隊員に負荷のかかる訓練となる。共同訓練の強化を通じた日米の軍事一体化が進む。

 訓練には、陸自から陸上総体司令部と、第1空挺団など約120人が参加する。

 米側は、読谷村の陸軍トリイ通信施設に所属する第1空挺団が参加予定だが、人数は未定だ。

 訓練では敵に占領された空港と見立てたグアムのアンダーセン空軍基地に対し、日本から飛来した日米の空挺部隊が直接降下し、占拠する。その後、米軍演習場内の敵占領施設を制圧するヘリボーン訓練を行う。