日本兵の遺骨も…「土砂採掘断念、全国で声を」 具志堅さん、1743議会に要請書


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全国の地方議会に送る要請書を前に「多くの県外の人に問題を知ってもらいたい。国に対して断念の声を上げてほしい」と話す具志堅隆松さん(左)=19日、県庁記者クラブ

 名護市辺野古の新基地建設で、政府が沖縄戦の激戦地となった本島南部地域の土砂使用を計画していることを巡り、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」は19日、土砂採取計画断念を全国の地方議会から国に求めるよう要請する文書について、1743の県議会と市町村議会に同日付で送った。県内にはすでに送付済み。具志堅隆松代表が県庁記者クラブで発表した。

 要請書では「南部地域は去る沖縄戦で多くの将兵・住民が戦火に倒れ、いまだに遺骨が埋もれている地域だ。亡くなった7万7458人の日本兵は全国から派兵された」と指摘。南部の土砂採取は「沖縄だけの問題ではない。全国の問題だ」として、議員提案により議会の意思を示し、国に計画の断念を要請することを求めている。

 会見で具志堅さんは「国は各家庭から父親や息子を召集し、戦地沖縄に送って戦死させ、遺骨を返していない。今度は埋め立てに使おうとは、国民と遺族、戦没者に対する裏切りだ」と訴えた。

 この問題に関し、糸満市米須の鉱山開発に注目が集まっていることについて、「ウチナーンチュ同士の対立の構図に心を痛めている。私たちが向かい合うべき相手は鉱山経営者ではなく日本政府だ。国の計画を断念させないとこの構図を引きずってしまう」と胸中を明かした。

 遺骨を含む土砂を使用しないよう求める意見書は、県外でも奈良県議会や金沢市議会、茨木市議会、小金井市議会などで可決された。具志堅さんは「県内で賛同の声が大きくなってきたが、本土ではまだ伝わっていない。知ってほしいし、声を上げてほしい」と呼び掛けた。