首里城復興基金、大龍柱の復元に活用 別施設や県産材などの調達にも


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県内外から集まった寄付金の扱いなどについて意見を交わした首里城復旧・復興推進本部会議=19日午前、県庁

 沖縄県は19日、「首里城復興基金」に寄せられた寄付金を、大龍柱の石彫刻や龍頭棟飾などの復元、正殿の壁や天井に使う県産材の調達に活用する方針を発表した。12日までに寄せられた寄付金は約52億7千万円で、このうち約24億円を充てる。残りは北殿や南殿など別施設に活用する見通し。

 首里城復旧・復興推進本部会議の2021年度第2回会合が県庁であり、方針を確認した。今月中に沖縄総合事務局に県の方針を伝えた上で、具体的な協議に入る。

 県は寄付金の使途について、主に寄付者や来訪者の目につきやすい正殿の象徴部や、県内に蓄積・継承されている伝統技術の活用に資するよう、県産材または県内職人が関わる箇所に充てる考えだ。

 県の担当者は、国王が使用した階段手すりや木彫刻の唐破風妻飾、鬼瓦などの製作も基金から捻出する計画を示した。国との協議が整い次第、正殿の復元工事に合わせて各事業を開始する。