【豊見城】「地元の誇りだ」―。陸上男子走り幅跳びで東京五輪に出場する豊見城市与根出身の津波響樹選手を応援しようと、与根有志の会は市内5カ所に横断幕を設置している。16日、設置場所の一つである豊見城市民体育館に集まった会のメンバーらは「メダルを取ってほしい」「自己ベストを」などと五輪本番に向け、期待を膨らませた。
横断幕は縦1メートル×横6メートル。津波選手の跳躍写真がプリントされ、「沖縄の誇り」などの文字が書かれている。約30人の与根の住民がカンパを出し合い作成した。
与根出身で元市議会議長の大城英和さん(75)と現市議会副議長の赤嶺吉信さん(59)が呼び掛け人となった。
大城さんは「響樹は子どもたちの憧れの存在だ。地元として誇らしい。ぜひメダルを取ってほしい」と期待した。赤嶺さんは「わが子のようにうれしい。沖縄の陸上界に大きな風穴をあけてくれた」と賛辞を贈った。
県勢の陸上種目での五輪出場は49年ぶりで、津波選手で2人目。津波選手が子どもの頃から陸上を教えてきた祖父の国吉真豊さん(84)は「地域の皆さんに大変感謝している」と目を細めた。
津波選手が子どもの頃、部屋の壁に男子100メートルと200メートルの世界記録保持者ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)のポスターを貼っていたとして、「フォームをまねていたよ」と懐かしそうに振り返った。国吉さんは「自己ベストを出して決勝に進めるといいね」と孫の活躍を願った。
有志の会のメンバーらは当初、津波選手の応援で東京へ行く予定だった。ところが、新型コロナウイルスの影響で五輪は無観客での開催になった。大城さんは「約80人分の航空券をキャンセルしたよ」と残念そうな表情を浮かべる。本番は津波選手の大跳躍を期待しつつ、それぞれ自宅のテレビで観戦する予定だ。
津波選手が出場する陸上男子走り幅跳びは東京・国立競技場(オリンピック・スタジアム)で実施され、7月31日に予選、8月2日に決勝が行われる。