疲れ癒し全力サポート 選手村でボランティア あん摩マッサージ指圧師・山内道太さん


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施術の準備をする山内道太さん。病と闘う祖母を見て「手術の他にも何か元気にする方法はないか」と現在の職を志すようになった=21日、北中城村の「徳やまうち治療院」

 あん摩マッサージ指圧師の山内道太さん(46)=北中城村=は、東京五輪の選手村内の医療施設などで施術を行う、ボランティアスタッフとして参加する。「世界の選手たちが練習の成果を出し切れるよう全力でサポートしたい」と意気込む。

 あん摩マッサージ指圧師を志したきっかけは、病と闘っていた祖母の存在だった。「がんを患い、手術でもなかなかよくならず、次第に元気がなくなっていった」。何か他によくなる方法はないか。中学生だった当時からそう考えてきた。

 上京して日本指圧専門学校に通った。あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得し、都内の治療院や整体クリニックで9年ほど働いた。その後沖縄に戻り、2012年に北中城村で「徳やまうち治療院」を開業した。北は名護市、南は糸満市まで出張し、小学生から90代までの患者を治療する。

 県はり・きゅう・マッサージ師会の副会長も務める。法人化して今年で30周年の節目を迎える同会には、国家資格を持つ県内のマッサージ指圧師やはり師、きゅう師約180人が所属。それぞれが治療院や在宅療養者・高齢者施設への訪問治療などで活躍する。8月9日の「はり・きゅう・マッサージの日」に合わせたイベントはコロナ禍で開催できないが、施術で多くの人の健康を支えたいという思いを抱いてきた。

 マッサージ指圧師として働き始めて約18年。「あっという間」と目を細め「施術後に元気になって帰っていく方を見るとやりがいを感じる」と語る。

 世界の選手をサポートできる貴重な機会だとボランティアに申し込んだ。今月末から現地入りし、静岡県で開催される自転車競技の会場や、都内の選手村の施設で施術予定だ。会場には全国各地からマッサージ師らが集う。「現地で学んだことを沖縄に還元したい。今後も地域の方の健康維持に役立てるよう精進する」と笑顔で話した。
 (吉田早希)