放し飼いみたい?「アッカンベイビ―ズ」シャウトで響け 24日にライブ


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AKKANBABYS(アッカンベイビーズ)の(左から)みきお、伊良波、天久、ワポ=5日、那覇市

 県内のライブハウスを拠点に活動する4人組バンド「AKKANBABYS」(アッカンベイビーズ)。ミュージック・レーン・フェスティバル・オキナワ2021の出演を皮切りに、ロックバンド「マルチーズロック」との対バンライブや、慰霊の日ライブなど出演を重ね、ファンを増やしている。

 ボーカル・ギターの伊良波は「(バンドは)まとまりがなく個性的。よく言ったらすごくバラバラに放し飼いされているような感じ。そういうところで、喜怒哀楽を表現している。こだわっている部分はそれぞれ違うが、バンドでのステージは生き物みたいで、すごく好きだ」と語る。

 メンバーは伊良波のほかに、ギターのワポ、ベースのみきお、ドラムの天久がコーラスを担当する。全員でシャウトする力強い歌声は楽曲をより盛り上げる。ライブや音源制作では「大切な瞬間を切り取りたい」という。

 結成前は、それぞれがソロの弾き語りやコピーバンドで音楽活動をしていた。ワポは「バンドを組みたい」と伊良波の誘いを一度断わったが、伊良波を誘ってバンドを組むことになった。仲の良かったみきおに声を掛け、2018年に結成。ドラムのメンバーの交代を経て昨年、天久が新たに加入した。

 メンバー全員でシャウトするような楽曲が生まれたのは、「滑車の街」を練習した時。みきおは「ハモりの部分がどうしても出なかった時に『叫んだら出るよと』とやってみたらそれを採用してくれた。叫んでいいんだと。そこが大きかった」と振り返る。

 伊良波は高校時代に合唱部に所属していた。「みんなで歌っているさまが好き。本当はハーモニーを作りたい。でも皆の歌みたいになっているのは意図せず、すごいハッピーみたいになった。きれいな音楽は目指していない。みんながそれぞれ自分を解放できているのかという所をすごく注目している」

 ライブを見た観客から手紙が届いたり、「泣きました」と言われたりすることもあった。天久は「楽しそうだねと言われるのがうれしい。前のドラマーが、すごくにこにこしながら演奏する人だった。人がステージでこんなに楽しそうにしていたら、こっちまで楽しくなるんだという気持ちを覚えている」と話す。

 24日には那覇市のOutputで、アッカンベイビーズ主催のライブを企画する。「(コロナ禍で)ライブができない状況の中で試行錯誤しながらやっていく。どういう楽しみ方があるのか、わくわくする材料をいっぱい探したい」。昨年ファーストミニアルバム「youth」を発売した。ワポは「今の4人の名刺となるような、CDを早く出したい」と力を込めた。
 (田中芳)