【台風6号】暴風域の先島で倒木や冠水… 停電2日に「どうにかして」


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台風の影響で倒れた石垣市指定文化財の「仲道の三番アコウ」=23日午後1時48分、石垣市登野城

 【宮古島・石垣】大型で強い台風6号は23日午後9時現在、宮古島地方や石垣島地方に暴風雨をもたらしながらゆっくりと北上している。文化財指定の大木が倒れるなど、被害が相次いだ。宮古島市では22日から停電が続き、住民らの顔には疲労がにじむ。23日午後9時時点で、宮古島市で21世帯33人、石垣市で21世帯27人が避難所に身を寄せるなど、災害に警戒する生活が長引いている。海路と空路の全便欠航も続いている。

 宮古島市では各地で電線が断線するなどして一時、5千戸以上が停電した。24時間以上、停電が続いている地域もある。交差点の信号機が全て停止するなど交通にも影響が出た。

 22日から停電が続いているという市平良の30代の女性は「冷蔵庫や炊飯器が使えない。子どもが2人いて、ご飯が大変だ。レトルトの買いだめ分も残り少ない」と顔をしかめた。市下地の男性(55)は「湯沸かしに電気を使うので風呂に入れない。がまんして水を浴びているが、早くどうにかしてほしい」と願った。

 強風にあおられて木や看板の倒壊も相次いだ。宮古島市上野では高さ約10メートルの木が倒れ、市平良のコンビニエンスストアの看板も根元から折れた。

 23日午前、石垣市登野城の市指定文化財の大木「仲道の三番アコウ」が倒れた。市教育委員会の説明によると、木は樹齢200年以上と推定されるオオバアコウで、古くから道しるべや人々の憩いの場として親しまれてきた。近くに住む高校1年の田盛獅朋さん(15)は「小学生の頃の通学路にあった木で、いつもあるのが当たり前の存在だった。寂しい」と残念がった。

 竹富町によると、同町西表島の白浜地区では23日朝、県道が200メートル弱にわたって数センチ冠水した。同時刻帯は満潮と重なり、道路に海水が流れ込んだ可能性があるという。