ワクチンの陰謀論 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[219]


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モバイルプリンス

 

新型コロナウイルスに対抗するワクチンの接種が進んでいますね。しかし、ワクチンに対する誤情報やデマ、陰謀論などもネット上で拡散されています。

「ワクチンを接種すると妊娠できない体になる」といったものからスタートし、「ワクチン接種で身体にマイクロチップが埋められ追跡される」「ワクチンを打つと腕に磁力が発生する」といったストーリーのデマも存在します。

あいまいさ、命に関わる重大な問題になると、誤情報やデマが拡散しやすくなります。

残念ながらSNSやネット掲示板、あるいは動画サイトなどの情報【※1】がそれらに加担することも多く、「フェイクニュース」の時代であることを物語っています。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

※1 SNSやネット掲示板、あるいは動画サイトの情報 … ネット検索や動画サイトは、一度検索・視聴した情報を記憶し、次回以降も似たようなものを私たちにオススメしてきます。陰謀論についての動画を見ると、「あなたへのおすすめ」「関連動画」として、陰謀論動画がどんどん出てくるということです。事実に基づかない情報であったとしても、頻繁に見かけることにより「みんな言ってる」、さらには「ネットには情報はあるけどメディアは報じない」となってしまい(事実に基づかないのでメデイアが報じないのは当たり前)、どんどんとありえないことを信じるようになります。

 

モバイルプリンス

 

「難しくて退屈な事実」よりも、「シンプルで分かりやすい嘘」の方が拡散されやすく、さらには映画のように「これを裏で操っているのはあいつだ」と面白いストーリーが追加されると興味を持って見てしまいますね。

これを繰り返すと、結果としてありえないデマを信じることになります。

こうした「裏で誰それが操っている」という根も葉もないお話を、陰謀論と呼びます。ネットやSNSは誰もが好きなことを書き込める自由さがありますが、同時に陰謀論を書き込んだり、信じたりする人も出てくるということです。

新型コロナウイルス、そしてワクチンに関する情報は命に関わるものです。自分の間違った情報発信が人の命に関わる判断を誤らせてしまう可能性があることを強く意識してスマホ・SNSを利用する必要があります。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/