ヤシ殻など燃料に「今後は水素活用も」 再生エネ発電、中城バイオマスが見学会


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報道陣に公開された「中城バイオマス発電所」=26日午後、うるま市勝連南風原

 うるま市の中城湾港新港地区工業団地内で「中城バイオマス発電所」を運営する沖縄うるまニューエナジーは26日、報道各社を招いて発電所の見学会を開催した。発電所は20日に営業運転を開始した。

 中城バイオマス発電所では、成長の過程で二酸化炭素(CO2)を吸収する木質燃料のパームヤシ殻(PKS)や木質ペレットを海外から輸入して燃料に用いている。ボイラーで燃焼して発生させた蒸気でタービンを回し、発電する。

 蒸気を冷やして水に戻すための冷却水には、周辺環境への影響を考慮して海水ではなく工業用水を使用している。

 発電した電力は、沖縄ガスニューパワーが販売する。県内法人向けに「美ら島CO2ゼロプラン」の受け付けを始めており、契約企業には、同発電所由来の電力を使用していることを証明する「トラッキング付非化石証書」を発行する。既に沖縄ガス本社ビルや、製塩業の青い海(糸満市)など4件と契約済みという。

 沖縄うるまニューエナジーに出資する新電力大手、イーレックス(東京)の田中稔道取締役は「県内の既存石炭火力発電所への燃料用ソルガム(イネ科の植物)の混焼や、水素の利活用などを積極的に進めていきたい」と、今後の県内での再生可能エネルギー利用促進について話した。