ハンド東江、デビュー戦4得点 帰ってきた攻撃の司令塔が真価を発揮


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
日本―エジプト 後半、東江が7メートルスローを決める=国立代々木競技場

 男子の1次リーグで、B組の日本はエジプトに29―33で敗れ、3連敗となった。エジプトは2勝1敗で勝ち点4とした。日本はエジプトのシュートやサイド攻撃に苦しみ、11―18で前半を終えた。後半は今大会初出場した東江(ジークスター東京)や徳田新(豊田合成)らの奮闘で追い上げたが、及ばなかった。

 B組はデンマークが31―21でバーレーンを下し、スウェーデンが29―28でポルトガルに競り勝ってともに3連勝で勝ち点を6に伸ばし、各組上位4チームずつで争う準々決勝進出が決定。A組はフランスとスペインが3連勝で1次リーグ突破を決めた。

 前半約22分、日本の攻撃の司令塔がついに五輪の舞台に立った。予選2戦目までけがで出られず、「すごい悔しかった」という東江雄斗。全力プレーを続ける仲間を応援しながら「コートに立った時にどういうパフォーマンスをするかを考えていた」とイメージはできていた。前半はなかなかリズムがつくれず、7点差を付けられて折り返したが、初めからコートに入った後半に真価を発揮する。

 開始3分すぎ。ドリブルで中央から右45度に流れ、ジャンプシュートで対角の左サイドネットに突き刺した。エースの五輪初得点で、じわじわと差を広げられる嫌な流れが一変する。

 果敢に1対1を仕掛けて4得点を挙げ、守備が寄ってくれば絶妙なアシストを決める。ベンチで仲間に攻め方の助言を送る場面も。コート内外で存在感を発揮し、「自分が思いきり行ったら回りも付いてきてくれた」とうなずいた。

 まだけが明けでプレー時間は短い。試合後には「物足りない気持ちもある」と本音を漏らした。それでも夢に描いてきた大舞台でコートを駆け、「すごくうれしいし、ここに立たせてもらったことに感謝したい」と感慨深そうに語る。

 チームは開幕3連敗でじり貧に追い込まれた。決勝トーナメント進出に向け、残り2戦で白星を重ねたい。「果敢に突っ込んで得点し、そこから仲間の得点チャンスを生み出す。チームを鼓舞するような声掛けも意識したい」。帰ってきたプレーメーカーが、日本を初勝利に導いていく。
 (長嶺真輝)


▽男子1次リーグB組
エジプト(4)
 33―29(18―11,15―18)
日本(0)