沖縄の自然や生き物カラフルに…pokke104さんが描く世界


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自然を描いた作品について語るpokke104さん=26日、東京都内

 イラストレーターのpokke104こと池城由紀乃さんは世界自然遺産に登録された、やんばるや西表島の動植物をはじめ、沖縄の自然を色鮮やかに描く。「生き物を観察するのが楽しい。出合うと、もっと知りたくなる」と海や山に通い、生き物たちがつながりあって生きる豊かな世界を表現してきた。

 幼い頃から週末は父に連れられてやんばるに通い「3姉妹でキノボリトカゲやクモを観察していた」と笑う。世界の見え方が変わったのは20歳の頃。慶良間諸島でダイビングをし、海中の世界に衝撃を受けた。色とりどりの魚が舞い、サンゴが息づく世界が広がっていた。「『なんて素晴らしい場所に生まれ育ったんだ』と沖縄に誇りを持つようになった」

 現場に行かなければ、世界に何があり、何が失われたのかも分からない。自然も、言葉や踊りなどの文化も、沖縄のあらゆるものに目を向け、応援したい気持ちが芽生えたという。

 東京と沖縄を行き来して暮らす今も、行く先々で自然がある場所を訪れる。西表島では10センチ以上にもなる大きなヤエヤマツダナナフシに出合い「大好きになった」。興味が湧き、ガイドに話を聞いたり、生態を調べたりしたことは、すべて作品作りの材料になる。豊年祭では古くからの歌に心を揺さぶられ、歌の世界観も次の作品に組み合わせたいと考えている。

 当たり前のようにある自然や生き物が守られ、この先もずっと続いていくように。「知れば愛着が湧く。作品を見た人が身近な生き物に目を向けるきっかけになれば」と願いを込めた。

 (黒田華)