「君は悪くなかった」遺族が仏壇の息子に報告 高2自殺で教諭免職


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 部活動顧問の執拗(しつよう)な叱責(しっせき)で高校生が自ら命を絶った問題で、沖縄県教育委員会が顧問を懲戒免職処分とした29日、遺族は取材に「(息子)本人がつらかったことを(県教委が)しっかり受け止めてくれたと思う」と述べた。仏壇に手を合わせて処分内容を報告し、「(君は)悪くなかったよ。本当につらかったよね」と語り掛けた。

 県教委の学校人事課職員が同日夜、遺族宅を訪れて処分内容や処分に至る経緯などを説明した。

 亡くなった生徒の母親は「(県教委が)一生懸命調査してくれた結果だと思う」と受け止めた。「(彼の)声が聞けないのが親として一番苦しい」とも打ち明けた。そして「一人の教員、一つの学校の問題だけにせず、子ども一人一人の人権を尊重してほしい。部活で勝つことのみが人生ではない。社会全体で向き合ってほしい」と求めた。

 父親もまだ心の整理がつかないが、処分内容に「重く受け止めてくれた」と語った。「(息子が)なぜこういうことに至ったのか、まだ自分の中では釈然としないものがある。真実が知りたい」と、全容解明に向けた再調査も要望した。