水球男子3連敗で1次リーグ敗退 残り2試合、GK棚村「次世代につながる試合を」


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日本―ギリシャ 第2ピリオド、相手選手のシュートに反応する鈴木(6)とGK棚村(左)=東京辰巳国際水泳場

 勝てば五輪で37年ぶりという歴史的な1勝まで、あと一歩だった。日本は試合時間残り約1分で追い付いたが、最終盤に追加点を許して1点差の惜敗。「ダメでしたー」。取材エリアに姿を現したGK棚村克行は、いつも通りの柔和な表情に悔しさをのぞかせた。

 2日前のハンガリー戦はポジション取りなどで「小さなミスが多かった」(棚村)と5点差で敗れたが、守備の共通認識を見事に修正した。前掛かりに守って攻撃に時間をかけさせ、失点を抑える。棚村も「うまい守備だと相手も体勢が崩れる。それで止まった」と好セーブを連発。阻止率は5割を超えた。

 しかし攻撃が誤算だった。好守からの速攻やフリーの場面を演出しながら、第3ピリオドはわずか1得点。棚村は「僕らはロースコアの試合では勝てない。2桁得点を取れなかったことが一番の敗因」と冷静に振り返った。

 開幕3連敗で予選リーグ敗退が決まったが、圧倒的に体格で勝る欧州の強豪相手に善戦を続ける。「身長も体重も劣っている中で、これだけ互角に戦っていることは評価できることだと思う」と胸を張る棚村。残り2試合。「互角、もしくは勝ちに行く試合をすることが、日本水球のこの先の世代につながる」と心をたきつける。

 生まれ島である石垣の親戚からも毎晩応援のメッセージが届く。「勝ててなくて申し訳ないけど、残り試合、少しでもいい試合がしたい。引き続き応援をお願いします」と語った。

 (長嶺真輝)