◆日本7―4メキシコ(7月31日・東京五輪1次リーグA組)
八回裏2死一塁、右打者への4球目だった。抜けたスライダーが真ん中に入り、強振された。口を開いて打球を見上げる平良海馬。2点本塁打となり、日本のリードは3点に。後続を空振り三振に打ち取り、悔しそうに首をかしげながらマウンドを降りた。既に41試合に登板しているプロ野球のリーグ戦を含め、今季自身初の被弾となった。
「紅白戦のよう」とリラックスしていた前戦との違いは「ないです」。普段とは違い、5点と大きく点差が離れた場面での心境も「一緒です」。プロ野球とのボールの違いも「特に感じずに投げてます」。
試合後はいつも通りのマイペースな受け答えだったが、2人目の打者には外角高めに浮いた直球で四球を与えるなど、制球に安定感を欠いた。
「結果は悪いので、次は打たれないようにします」「点差がない場面で逆転にならないようにしたい」。淡々とした言葉の中に、闘争心をのぞかせた。
(長嶺真輝)