選手への誹謗中傷 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[220]


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モバイルプリンス

 

先月23日、「東京2020オリンピック」が開幕しました。テレビで連日放送しているのでオリンピックを楽しんでいる人も多いでしょう。

選手の活躍が報じられる中、敗退した選手に対してSNS上で「誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)」のコメントを送る人が増えていることもニュースになっています。

誹謗中傷とは「消えろ」「死ね」などの相手を否定する強い言葉のことです。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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家族や友達と競技を見ながら、「今のもっと行けただろ!」などと、ワイワイ語り合うのもスポーツの魅力の一つでしょう。

しかし、批判の限度を超えた誹謗中傷を、選手に見える・届ける形でSNSに書き込むのはルール違反です。名誉毀損罪、侮辱罪となり、SNSのアカウントを凍結させられる可能性もあります。

日本オリンピック協会は初の試みで、選手のSNSに書き込まれる誹謗中傷を監視するチームを設置していることを明らかにしています。

特に今回のオリンピックは新型コロナウイルスの感染が拡大している中で行われ、いろいろな問題が明るみになって辞める人や謝る人がたくさん出てきました。

「オリンピックの話題は荒れる」という流れができてしまっています。

 

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批判が集まって炎上状態になると「みんなも言っているから、この人にはこのくらい(ひどいことを)言ってもいいだろう」という気持ちになるかもしれません。

しかし「みんなが言っているから自分は黙っておこう」【※1】と判断することも大事です。

雰囲気に流されず、今どの言葉を使うべきなのかを常に考えていないと、人を深く傷つけるでしょう。

 

※1 「自分は黙っておこう」 … 「消えろ」などの誹謗中傷はいかなる時もアウトですが、「こうした方が良かった」などの批判は基本的にはOKです。ただし、炎上して批判が殺到すると、本来はOKな範囲の批判も、本人を追い詰めることがあります。デコピン1発は「少し痛い」くらいですが、デコピンを連続で10万発受けると頭蓋骨が骨折、あるいは死んでしまうかもしれません。ネットの書き込みでの批判も、「今自分が書くべきことなのか」を考える必要があります。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/